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薮side
伊「ねぇねぇ涼ちゃん。今日はどんな過去だったの?」
山「伊野尾さん、何度も言いますけどそれプライバシーの侵害です。」
カウンターで俺がサービスで出したコーヒーを片手に、伊野尾はまた涼ちゃんにちょっかいをかけている。
伊「そんなこと言って結局は教えてくれるくせにー!」
山「…………。
今回はもう絶対言いません。」
あーあ、そんなこと言うから……。
こころなしか、グラスを拭く涼ちゃんの手つきが荒い。
伊「でもさぁ、涼ちゃんにナポリタン頼むまで俺ずぅっとここで待ってたんだよ?
ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃんかぁ。」
間延びした声で伊野尾がそう話す。
すると、ピタッと涼ちゃんのグラスを拭く手が止まった。
……ほんと、情に流されやすい子。
山「小さい頃仲良くしていたお友達が突然いなくなったみたいです。
どうやら彼女はまだ幼くて理解出来ていなかったみたいですが、お友達のお父さんの転勤で海外に。」
伊「あのカルボナーラは?」
山「お友達と一緒に遊んだ時に、そのお友達のお母さんが作ってくれたものだそうです。」
伊「へぇ〜案外みんなもう一度食べたいけど食べられないものってあるんだねぇ……。」
そう言って、コーヒーを1口飲んだ伊野尾。
薮「そう言う伊野尾は何か食べたいものはないの?
暇さえあればここに来るくせに、まだ1回も頼んだことないよな。」
俺がそう言うと、伊野尾はうーんと考え込んだ。
伊「まぁ、今のところは間に合ってるんで。」
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作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時