変わらない記憶でも。 (ページ46)

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薮side

規則的に鳴る機械の音が響く、無機質な部屋。

そんな部屋で酸素マスクをつけられ、点滴を繋がれた状態で眠っている涼ちゃん。

その寝顔はとっても綺麗で、さっきまでの出来事が嘘のよう。

もっと早く気づいてあげられていたら…………なんて後悔はもう数え切れないほどした。

薮｢俺はちゃんと代わりになってあげられてるのかな……。｣

そんなひとりごとを呟いていると、涼ちゃんの固く閉じられていた瞼がゆっくりと開かれる。

薮｢涼ちゃんっ！！！

はぁ、よかったぁ……………………。｣

山｢やぶ、ちゃ……………………。｣

薮｢うん、そうだよ。わかる？｣

すると涼ちゃんは、俺の質問に答えるようにゆっくりと瞼を閉じながら頷いた。

山｢おみせは………………？｣

薮｢今光が締めてくれてるから、心配しなくていいからね。｣

こんな時でも自分を蔑ろにしようとする涼ちゃんにちょっと怒りたくもなっちゃうけど、でもそれが涼ちゃんなんだよなとも思ったり。

薮｢あ、そうだお医者さん呼ばなきゃ。｣

涼ちゃんが起きてくれたことに気を取られて、すっかり忘れていた。

慌ててナースコールを押すと、間もなく白衣を着たお医者さんが入ってくる。

薮｢………………………………え？｣

｢初めまして………………じゃないですね。｣

あはは、なんてお互い乾いた笑いを浮かべる。

本当にこんなことってあるんだな……………………。

山｢あれ…………中島さん？｣

中｢お久しぶりです、山田さん。｣