変わらない記憶でも。 (ページ24)

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薮side

山｢…………っ、ぐすっ……。｣

薮｢ほらいつまで泣いてんの涼ちゃん。

また熱ぶり返しちゃうよ？｣

山｢だって…………。｣

あのお客さんが出ていってから、ずっと涙を流している涼ちゃん。

伊｢でも泣いてる涼ちゃんも可愛いよ。｣

薮｢伊野尾はちょっとだまれ。｣

ケラケラと楽しそうに笑う伊野尾を若干睨みつけながらも、涼ちゃんの背中を摩った。

山｢っ、はぁ……ほんとに良かった…………。｣

薮｢伊野尾とここから見てたけど、涼ちゃんかっこよかったよ。｣

伊｢ずっとどうすればいいか悩んでたことだったもんね。｣

……そう。

今回のように過去に亡くなってしまった方と会話をしたがっているお客さんについて、涼ちゃんはずっと悩んでいた。

この能力を使うのを辞めるべきかというところまで。

だから、今回こうやって行動できたことに安堵しているんだと思う。

俺も、遠くで真剣に話している涼ちゃんを見て、"成長したなぁ……。"なんて感じたりもして。

薮｢やべ、俺も泣きそう。｣

伊｢ちょっと待てよ、俺が泣かせたみたいになるじゃん。｣

サンドウィッチ end.