変わらない記憶でも。 (ページ20)

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サンドウィッチページ20

薮side

薮｢ちょっとでも体調が悪くなったら言うんだよ？分かった？｣

山｢もう、大丈夫だって！

ダメな時はちゃんと言うから。｣

昨日の夕方頃にようやく熱が下がり、次の日から病み上がりにも関わらずお店に出ている涼ちゃん。

全く、こっちの気も知らないで………。

伊｢薮そんな顔してたら老けて見えるよ｣

薮｢うるせっ。｣

伊｢涼ちゃんももう子供じゃないんだしさ、そんな心配しなくても大丈夫でしょ。｣

薮｢だといいけどなぁ………。｣

そう言いながら接客をしている涼ちゃんを眺めていると、ふと女の人が脳裏に浮かんだ。

白い肌にぱっちりとした瞳、柔らかい髪の毛はどこか涼ちゃんと似ていて。

その女の人もまた、涼ちゃんと同じように目を瞑って額に手をかざしていた。

そう、彼女もまた優しくて献身的で、人の心の痛みに共感できるような人だったっけ──────

山｢や、……ちゃん……やぶちゃん……薮ちゃん！｣

薮｢はっ…………っ、何？｣

山｢いや、ずっとぼーっとしてたから……。

もしかして僕の風邪うつっちゃった？｣

薮｢いや、違う違う！！ごめんちょっと考え事してた……。｣

山｢そう？ならいいけど……………。｣

どうやら自分の世界に入り込みすぎてしまったようだ。

危ない、危ない。

今は仕事中なんだから…………。

伊｢三途の川でも渡ってそうなほど意識どこかにいってたけどね。｣

薮｢例えが悪すぎるだろ。｣