◇ ページ19
山田side
山「……っ、はぁっ…………。」
この高い熱のせいで勝手に息が上がってしまう。
それでも、身体はまだ暖かさを求めてて。
僕はまた、掛け布団を深く被った。
布団に反射する息が熱い。
それのせいか、身体の体温はどんどん上昇してる気がした。
すると段々と周りがぐるぐる回っているような感覚になる。
……まるで、僕を中心に回るメリーゴーランドのように。
その感覚が気持ち悪くて、僕は固く目を瞑った。
しばらくそうしていると、いつの間にかそれは治まっていた。
すると突然、目の前に見覚えのない女の人が僕のことを見ているのに気がつく。
その女性の顔は眉間に皺を寄せ、どこか怒っているような……そんな表情に読み取れた。
しばらくその人と目を合わせていると、そちらの方からゆっくりと僕の方へ近づいてくる。
恐怖を感じて後退りをしようとしたけれど、何故だか足が鉛のように重くて動かなくて。
その女性がじりじりと僕の額のところに掌を近づけてきた……………………ところで、目を覚ました。
山「っ、……はぁっはぁっ…………!」
薮「やっと起きた……!
大丈夫?すっごい魘されてたけど……。」
薮ちゃんはそういいながら僕の背中を優しく摩ってくれた。
山「はぁっ…………ごめっ…………。」
薮「本当に?無理してない?」
ぴとっ、と薮ちゃんの冷たい手が額に触れる。
薮「また熱上がったかな……。
プリン持ってきたけど食べられそう?
ダメならまたしまっておくけど……。」
山「はぁっ…………たべ、る……。」
そう言うと、薮ちゃんは小さなスプーンに乗ったプリンの欠片を僕の口にゆっくりといれた。
やっぱりさっきの夢で熱が上がり朦朧としてるのか、味がよく分からない。
けれどプリンの冷たさが口の中の温度を下げてくれて、それがとても心地よかった。
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作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時