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山田side


そして伊野尾さんがお店に顔を出さなくなってから、一週間が経った。



山「つまんない……………。」


薮「またそんな顔して。

伊野尾が来なくて寂しいのは分かるけど、お客さんの前でその顔するんじゃないよ?」


山「それは分かってるけど………。」



この時間帯はお客さんも少ないので、厨房に置いてある椅子に座ってぼーっとしていた。


八「涼ちゃん元気ないから、これあげる。」


するとトントン、と肩を叩かれ顔を上げると小さなケーキを手に持った光くんがいた。



山「わぁ……ケーキ!!」


甘いものに目がない僕は、光くんお手製のショートケーキに自然と口角が上がる。


山「食べていいの!?」


八「うん、だってここ最近ずっとそんな感じだったでしょ?

甘いものでも食べてリフレッシュしなね?」


山「ありがとう光くん!」


急いでフォークを持ってきて、ケーキを口に入れる。

するとスポンジの柔らかさと、ちょうど良い生クリームの味が口に広がった。


山「美味しい……美味しいよ光くん!!」


八「はいはい、ありがとうね。」


甘いものを貰ってテンションが上がった僕は、すっかり気分は元通りになっていた。




八「薮の言う通りほんとに甘いもので機嫌がなおるのか……。」

薮「やっぱりまだまだチョロいな。」

八「あれは心配になるレベルのチョロさだけど……?」





…………そんなことを言われているとはつゆ知らず。

◇→←カレーライス



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作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時

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