第91話 来訪 ページ47
反マーレ派の義勇兵と出会って約1年。ついに港が完成した。
港が完成したことで、マーレ以外の国からの要人を迎える歓迎式が行われた。
やって来たのはパラディ島唯一の友好国となるヒィズル国。
その特使として来訪したのはキヨミ・アズマビトという名の女性。どことなくミカサに似ている。
アズマビト家はヒィズル国で権力を持つ一家で、なんとミカサはその一族の末裔らしい。
末裔であるミカサに会いにこの島へ来たのだと思っていた。が、それは違っていた。
アズマビトの真の目的はパラディ島に眠る地下資源。それを得るためにジークとこの島を結びつけたいのだ。
ジークとアズマビトは手を組んでおり、ジークの主張する秘策とやらにはヒィズルの介入が不可欠だという。
なぜなら、ヒィズル国は世界でも特に技術の進んだ国で、最新兵器を導入して100年遅れのこの島の軍事力を世界水準にまで上げてくれるらしい。
そしてキヨミは、「地鳴らし」でこの島を守るための3つの過程の最後の1つを発表した。
それは、王家の血を引く者は巨人を維持させるために13年間可能な限り子を増やすこと。
これには皆が深刻な表情を浮かべた。
ヒストリア1人にかかる負担があまりにも大きすぎる。ただでさえ出産は命に関わることなのに。
それに、親から子へと巨人を継承して維持させるなんて、レイス家がやっていたことと同じことだ。
「わかりました。私は獣の巨人の継承を受け入れます。地鳴らしが我々の存続に不可欠である以上は」
ヒストリアは凛とした表情でそう宣言した。
これに対しエレンは、家畜のような真似はさせられないと反論。ジークの計画を受け入れられないと拒否した。
「地鳴らしの維持に我々の命運を委ねるのは危険です。残された時間の限りあらゆる選択を模索するのが我々の取るべき最善策ではないでしょうか？」
ヒストリアは目に涙を溜めて肩を震わせる。エレンの発言の後、恐る恐る手を挙げた。
『…わ、私も、エレンの意見に賛成です』
このような会議の場で自分から発言することが珍しいため、全員の注目が自分に集まる。
いつもなら絶対に避けたい場面。でも今は違う。言わなきゃいけないことがある。
ゆっくりと深呼吸をしてから口を開いた。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
