第69話 血縁 ページ20
Aにはずっと純真な気持ちで物作りをしていてほしい。真っ直ぐに自分のやりたいことをしていてほしい。
そしてエルヴィンは、Aにはこの真実を一生言わないでおこうと決めた。
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手紙の最後には、「今まで隠していて悪かった」と添えられている。
読み終わり、手紙を持つ手を静かに机に置いた。
『……真実を言えなかった原因は私…エルヴィンは何も悪くないのに…』
読み終わるまで待っていてくれたリヴァイに手紙を渡す。
読んでもいいのかと確認をとったリヴァイに頷き、実の両親に思いを馳せた。
優秀な技術者だった父。そんな父を一途に愛し続けた母。一体どんな人だったんだろう。
両親共に娘の顔も知らずに亡くなって無念だっただろうか。もし生きていたらどんな家庭になっていただろう。
考えれば考えるほど両親に会いたくなってきた。もう2人ともこの世にはいないのに。
「この手紙には書かれていないが、エルヴィンが隠していたことがもう一つある」
『それも私の両親に関することですか？』
「ああ。これをどう捉えるかは、お前次第だがな」
リヴァイは一呼吸おいてから口を開いた。
「お前の母親の旧姓が、アッカーマンだったらしい」
アッカーマン…その名前には聞き覚えがある。なぜならそれはミカサとリヴァイの名字だから。
「突然体中からバカみてぇに力が湧いてきて、何をどうすればいいのかわかる。こんな経験あるだろ？」
『あります。あれは確か、エルヴィンが巨人に右腕を喰われた時に』
「どうやらそれはアッカーマンの特性らしい。俺もミカサも、俺の叔父も経験してる」
『それなら、私と血が繋がっていたのはエルヴィンじゃなくて…』
「ああ、俺とだ」
再び衝撃が走る。しかし、それはさっきとは違いショックを受けるようなものではない。
「まぁ、どこまで近縁かはわからねぇが、俺の叔父がお前を知っていたからそこまで遠くは……って、お前、何笑ってやがる」
『兵長やミカサと親戚だったことが嬉しくて。誰とも血が繋がってないと思ったから』
新たに知った事実に口元が緩む。エルヴィンと血の繋がりがなかったのは悲しいけど、血縁者がこんなにも近くにいたことが嬉しい。
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No.28
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
