行かないか ページ3
｢お、お前ら…その傷は？｣
家に着いた瞬間、パパは驚いた顔で私たちを見た
｢えっと、ちょっとケンカで｣
｢ケンカで、じゃねぇよA！もし顔に傷なんてついたら｣
｢あ、そのときはボクがもらいますので｣
宵ーがニヤニヤと笑いながら言うのを聞いたパパは、まだ渡さん！と宵ーに飛びかかっている
｢こう見ると、本当にお父さんみたいだな｣
｢うん、私は本当のパパだと思ってるけど？｣
喜多の言葉に、少しむっとした
パパは、パパだ
｢ほら、夕食できてるぞ。今日はみんなの好きなハンバーグだ！｣
｢ハンバーグ…｣
香宮夜の、香宮夜の目がキラキラしてる
ハンバーグが好物なのかな
｢そう言えば、傷の話なんだけどさ｣
｢パパ、食べながら喋んないで｣
私の忠告を聞いたか聞かないか
パパはごくん、とご飯を飲み込み話し出した
｢オレ、腕のいい医者知ってるんだよな
明日連れて行こうか？一応…知り合いだし｣
みんながいいねー、行こうよ！と話しているなか、香宮夜は嫌そうにしていた
｢どこ、ですか｣
少し緊張した声で香宮夜は聞く
｢『
｢いきたくない｣
｢そろそろ過去と向き合うべきだ
それに、これからもっとたくさん怪我をしてくるだろうから｣
何の、話だろう
宵ーを見ると、｢全くわからないよ｣と首をすくめて見せた
｢香宮夜、｣
｢喜多？｣
｢行こう、病院
オレらもいるし、多分大丈夫だと思う｣
｢ちょっと喜多〜、思うだけじゃだめでしょ！
大丈夫！って言い切りなよ｣
美寿が明るく言う
それを聞き、香宮夜にとり憑いていた緊張は
少しはがれたようだった
｢にしても、ホントにキレイにぬわれてるなぁ｣
宵ーの手をみてパパは呟く
｢さすがだな｣
香宮夜はその言葉に
喜んでいるような悲しんでいるような、微妙な表情を見せた
｢麻酔とか、どうした？｣
｢それはね、氷使って軽く麻痺させたよ｣
美寿が答える
｢氷ってすごいよねー｣
｢うん、今美寿の口を冷やしているのもそれだけどね｣
私が言うと、宵ーがボクも食べてる〜！と報告をしてくれた
｢じゃあ、明日病院な？｣
｢｢はーい！｣｣
喜多と香宮夜を除いた、
私たち三人が元気に返事をした
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