必要なもの ページ2
パチン、パチンと軽い音がなる
下敷きでも弾いているのか、と思うが
そんな平和なものだったらどれだけ良かったか
｢玲ちゃーん、ほかになんか武器ないのぉ？｣
折り畳み式のナイフを出したり引っ込めたりして宵ーはたずねる
ホント…平和じゃない
｢まあ、買おうと思えば買えるし、作ろうと思えば作れるけど｣
玲ちゃんはうーん、と唸ってノートをひろげる
｢ぶ、武器って…危ないじゃないか｣
｢喜多は武器ナシでいけそうだけどね｣
玲ちゃんは心配する喜多に的確に答えた
まあ、喜多は素手でも全然いけるだろう
玲ちゃんはノートに
喜多、素手
とメモする
｢ボクはまだしも、Aと美寿にはなにか必要でしょう？女の子なんだから｣
男子、しかも年上のものには勝てないよ
と言う気だろうか
｢でもまあ、必要にはなるだろうね
二人とも希望はある？｣
玲ちゃんの問いに美寿は言う
｢うーん、オノとかカマとか？｣
ああ、最近見たコスプレ道具に感化されてる…
｢かわいい羽も、つけてほしいな！｣
｢いいね、カマ程度ならホームセンターとかで売ってるし｣
玲ちゃん、それは草刈りのカマです
普通の用途で使ってあげて下さい
｢で、Aちゃんは？｣
｢私？私は…短刀がいい、かな？｣
｢あっ、ボクもそれがいい！｣
宵ーがバッ、と片手を挙げる
玲ちゃんノートには
美寿、カマ A･宵ー、短刀
と付け足された
｢太刀｣
香宮夜がぼそっと言う
｢ん？星降くんワンモア｣
｢太刀がいい｣
｢ちょ、かぐちゃん？頭大丈夫？モンハンのやりすぎじゃないかな？｣
宵ーは一気にまくし立て、香宮夜に詰め寄る
｢た、太刀はちょっと…考えさせて｣
ほら、玲ちゃん引いてるじゃん
｢香宮夜も、素手でいけるよね？｣
私が笑って言うと、何故か香宮夜は怯えた顔になって一言
｢よ、よろこんで｣
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