せんせ、2

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あれからいくつも季節は過ぎて、
私は社会人になった。



「ねぇいいじゃん！彼氏いないんでしょ？」

『それはまぁ、そうなんだけど…』




お酒が飲めるようになると出会いの場というものはいくらでも開催されて。




大学在学中は近所の学校と、


社会人になってからは

同じ業種の人たちだったり、そうじゃなかったり。



恋愛というもの自体が好きだという
大学からの付き合いのこの友人は、

今も彼氏のいない寂しい私を心配して
ここ数ヶ月、度々そういう会を催しては
しきりに私を誘ってくる。





私は…



結局大人になっても一歩も前になんか進んでなくて。



夏になるたび
先生といたあの幸せを思い出して


冬になるたび
傷付けた罪に苦しくなって…



何度だって繰り返すこの思いと、
先生のいない日々に慣れないまま、


未だに何一つ思い出にできていない。



もう、先生と一緒にいた時間より
忘れようとした時間の方が長くなってしまったというのに。



駆り出されて参加した合コンでどんな男の人と出会ったとしても、

やっぱり先生の他に好きになる人なんてどこにもいなくて。


今までだって恋愛に発展することはなかった。



こんなに人を好きになることなんてあるんだね。


たった二十数年だけど、
間違いなくこれは私の人生で一番大きな感情だった。




いい加減主催者である友人の評判を落とし兼ねないので、
今回は断り続けているんだけど…

中々引き下がってくれない。



「とにかく次の週末！ぜったいね！」

『えっ、ちょっと…！』




断りきれないまま、
スケジュールに週末の予定を打ち込んだ。

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