恋幕 2【w.r.w.r.d!/企画:昼の部】 (ページ9)

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＊ページ9

「……なんかありました？」

それから数週間
ショッピと行動をした
朝から晩まで、幼い頃と同じように大学へ行く時も家に帰る時も一日の半分は隣にいた気がする
ショッピも嫌がる事もなく常に隣にいてくれて

そして何よりもストーカーの行為が減っていて身体的にも精神的にも落ち着き始めた頃

隣にショッピがいることに違和感を覚えていたであろう友達に「彼氏？」と聞かれ、訂正しようと訳を伝えると

「その幼馴染が犯人だったりしないの」

「だっておかしくない？あそこまで執着しておいて男が隣にいるから急にパッタリ無くなるなんて…ありえる？」

不安にさせる、というよりは私の事を心配して考えてくれる友人の言葉がやけに私を焦らせた
ショッピがそういう事をする人間じゃない、とわかってはいても何故か不安になっていく

友人はその後「まぁ、それも考えておいた方がいいよっていうだけの忠告だから…あんまり深く考えないようにね」と私の肩を叩き元気づけてくれて

気にしないようにと思ってはいたが、やはり顔に出してしまっていたのか、二人きりの部屋の中ショッピが顔を覗き込んだ

『…い、いや……』
「あんまり無理に話せとは言いませんけど…なんかあったら言ってくださいね」

心配そうに私を見つめた瞳
この瞳が、私を苦しめる原因になると思うか？
いや、なるわけない
守ってくれる約束をした
ぶっきらぼうで面倒くさがりな彼だけど

そんな事をするはずが無い
信じてる、だからこそ

時計の針の音が響いた
『大丈夫』と笑顔を見せるとショッピが「…あ、飲み物取ってきますね」と席を立つ
その後ろ姿を目で追い部屋を出ていったところでドッと体から力が抜ける

プレッシャーだろうか、今まで感じたことの無い緊張感がした
初めは慣れなかったショッピの部屋にも慣れたはずなのに

降ろしていた腰を上げようとして床に手をつけ力を入れようとすると、ふと手先がコツ、と何かにぶつかり下に視線を向けた

『……箱？』

ベットの下
すぐ取れそうなところに転がるそれを手で掴むと固く四角い小さな物が出てきた

赤く点滅するそれはピ、ピ、ピ、と機械質な音を立てていて、一瞬にしてそれを隠しカメラのようなものだと理解してしまう

……あれ

『…なんだ、この音』