恋幕 2【w.r.w.r.d!/企画:昼の部】 (ページ11)

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＊ページ11

恐怖からか震える体に、瞳を閉じようとすると

「なーんて」

と後ろの扉が開き、世界が明るくなった
いつも通りの声を出すショッピに『は？』と顔を上げれば楽しそうに笑う声
それからバチン。と電源を全部落とす音がしてポンっと私の肩に手が触れた

「…色んな話吹き込まれとるから…俺の事怪しんでるんやないかなって……試しにストーカーと同じ行為でもやって怖がらせようかと思って」
『だ、騙したの！？』

「いや、何かあった時用の予行訓練ですよ」
『もー、本当にビックリしたじゃん！やめてよ！！！え、待って今の画像とかは全部……』

「………偽物ですよ」

そんな声にホッと息をつく「ほら、飲み物冷めますよ」なんて私の背中を押し元いた部屋へ足を進めた
演技だったのか、なんだったのか
さっきまでの恐怖が嘘のように空気は和らぐ

ショッピが持ってきてくれたマグカップから湯気がふわふわと揺れて見える
驚かせないで、と笑いながら私は腰を下ろしいつもの様に会話を続け

私はいつも通り家へ送って貰うことになった

「それじゃあ…また明日」
『ありがとう！』

家の前、背を向けて歩くショッピに手を振り室内へ
いつもならこの時間には家にいるはずの両親が今日は遅そうだ
両親の帰宅を待つ間、自室へ入りぼんやりと携帯を眺めていた

ピ、ピ、ピ

そんな音に一瞬脳内が停止する
『え？』と顔を上げたその時

「A～！！！！ただいま！」

玄関の方で聞こえた母親の声
止まっていた脳がゆっくりと動きだし、私はベットから降りて階段から顔を出した

『おかえり』
「ただいま、遅くなってごめんね～！ちょっと手伝ってくれない？」
『……あ、うん』

母親に呼ばれ階段を下りる
ふと自室の方に振り返るが何も変化はなく、私はそのままいつも通りの日常を家族と過した

＊＊

薄暗い部屋
青白い光に照らされる人影
カタカタとタイピングをしながら足を組み、藤色の瞳はとある少女の後を追う

「…隠しカメラばれた時はどうなるかと思ったけど……ホンマに…チョロくて心配やわ」

そう呟いた声は部屋の中で静かに消えた
今日も彼女は一人の男に守られ続ける