集え ページ3
雄英敷地内に突如として現れた、校舎から徒歩五分、築三日の学生寮、ハイツアライアンス。流石雄英高校、外観も内装も一流であり、Aの所属する高専の和風じみた寮とはまるで違う雰囲気である。
集められた一年A組一同はこれから始まる新しい生活に目を輝かせていた。
｢…取り敢えず一年A組、無事にまた集まれて何よりだ。｣
｢みんな、入寮の許可降りたんだな！｣
｢はぁ、私は苦戦したよ…｣
｢普通、そうだよね｣
｢二人はかつて、直接被害あったもんね…｣
｢…無事集まれたのは先生もよ。会見を見た時は、いなくなってしまうかと思って寂しかったわ｣
｢…うん｣
久々の再会を喜ぶ声も、ここまでの苦労を語る者、様々な声が集う中、次々と話が進んでいく。
｢……さて、これから寮について軽く説明するが、その前に一つ。｣
相澤はぱちんと手を叩き、空気を変える。
｢当面は合宿で取る予定だった仮免取得に向けて動いていく。｣
一方その頃、Aはというと。
｢……うっわ、何これ。本しかないじゃん。図書館でも作る気？｣
『最低限の参考書類ですけど。しかも全部呪霊関係なんで。ていうか、その格好でよく入校許可降りましたね』
｢そんなん呪術師みんな同じでしょ？｣
『目隠しの事話してんだわ』
若干苛立ちながらも荷解きを進めるA。言わずもがな元凶は五条である。
｢……そーいやさ、聞きたいんだけど。別に心理テストじゃないから普通に答えてくれていいんだけどさ｣
『それ言うと逆に怪しいですよ』
｢ひっど。まぁいいや。｣
｢何で急に戦地から離れた?｣
ワントーン下がった五条の声が物静かな室内に響き、空気は一変した。それに動じることもせずダンボールを畳むAを五条はじっと見つめた。
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作者名：にしき | 作成日時：2022年3月14日 17時
