きっと誰もが英雄 3 (ページ13)

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教えてよページ13

幾つも県を跨いだはずで、自動車での移動だったはず

景色も何もかもどうでも良くて、ただ高専を目指して走っていたからわからないけど

敷地に入ったと同時にアラートが鳴り響いたらしい

『…家入、さん』
「……峡、A」

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「手遅れだ」

「呪霊に襲われて、助かる確率はゼロと言っても過言じゃない。どっちかって言えば助かる方が奇跡に近いな」

「あと、その模様は何だ？」

けたたましい音を立てて開かれる扉。次の瞬間にはドアは蹴破られ、倒れ伏す。バタバタと周囲を取り巻いていく呪術師たちは視界になど入っていない。血と汚れに塗れたまま、カバーから覗く眠っているだけのような死体に目を落とすばかりで、全員が息を飲むと同時に空気が凍りついた。

私が死ぬときは、私の個性で術式あげるね
もう【譲渡】するって決めたから！決定だから！
これで一緒にいれるし、攻防が一人でできるって超強いじゃん！

何でだろうな
後から後悔が渦巻いて止まらないんだ
いつもそうだ
家族が死んだ時も今もずっと
次はしないって薄っぺらい事口に出して言うだけで誓ったりなんかしない
同じような後悔を繰り返してるだけで成長なんか一歩もしてない

死にかけの被呪者を気にしすぎた
生得領域の能力にビビってろくに攻撃を与えられなかった
二人なら大丈夫だって、そう思ってた
馬鹿だよな、どうしたって救いようがない
恨んでる？
憎かった？
あたしに対して何を思った？

入ってきた呪術師達に踏み倒されようとも拘束されようとも微動だにせず、ただ虚ろな目で袋を見つめる彼女の目には、一寸の光も含まれていなかった

絶望→←のろいのちぎり