大隊長の妹 (ページ1)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:4,025 hit

消えた夢と誰かの背中ページ1

また。まただ。
また同じ夢、同じ声、同じ人。
記憶にモザイクでもかかっているのかと思う程、その人の顔を覚えていない。

窓の隙間から射し込む光がレースのカーテンにきらきらと反射する。無意識のうちに目を細めた。

開かれたまま机に置かれたパソコンが寝過ごした事を報せる。幸いにも今日は土曜日。資料を作るのに時間は腐るほど余っている。
ベッドから脚を下ろし冷蔵庫を開け、手軽そうなゼリー飲料を飲み干す。

｢……甘い｣

＊

皇国は何時だって賑わっている。雨も晴れも関係なく。

とある家電量販店。
イヤホンを両手に持ちながら双方を比べる。

2万円するBluetoothイヤホンか。
音質は悪いが2000円のワイヤーイヤホンか。

｢音質は大事だよなぁ……でも値段もなあ…｣

あーだこーだ言ってても仕方ない。
悪い物よりいい物の方が後悔しないで済む。

財布から諭吉が2人居なくなった所で本屋へと足を踏み入れた。

受賞者の本か………結構同じような事言ってる本見かけたんだよな…いいや。いらない。

ライトノベルはアニメの小説と言うだけあって面白いものと面白くないものの振り幅が大きい。内容をそのまま書き綴っているものがあれば、全く別の物を書いているものもある。買う時はほぼ賭けだ。