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「お、お前!何者だっ!!」
『……あなた達の命を奪う者』
そう言い終わるか否かの間に、男を撃ち殺す。
キャーだとかワーだとか悲鳴が飛び交う空間で、私は依頼主に見せられた写真の男ーーー今回の"標的"の姿を探す。
『………みつけた』
室内にいるのはざっと見た限り6人。
逃げ惑う人々の1番奥で、仲間を盾にしている標的を見据えてから、銃と刃物を握り直す。
『ごめんね、恨むならそこの傲慢なオジサマを恨んでね』
ダッと標的に向かって走り出し、手近な人間から殺していく。
弾丸を撃ち込み、首を掻き切り、くるりくるりと舞う。
もうあと少しで標的を捉えようかという時。
「ば、バケモノめが!!うわぁぁぁぁぁ!!」
「きゃあ!!」
叫び声を上げた標的は、近くにいた女性を引っ張ると、躊躇なく自分の盾にした。
恐怖に揺れる瞳が涙に濡れて、絶望の色が見て取れる。
今さら止まる気なんてない私は、走る勢いのまま彼女の胸を銃で撃ち、ついでに右手の大型ナイフを標的の顔面にズドンと突き刺した。
『自分のために女を盾にするなんて、とんだクズね…』
無表情でそう吐き捨てて、汚い顔面に刺さったままの刃物を引き抜く。
びちゃびちゃと音を立てて出来る血溜まりは、さながら地獄へのレッドカーペットのようだ。
ぴっと刃物を振って血雫を切り、私以外だれも生存していない部屋を出ようとした。
「……ど…して……イヤ……た……けて…」
『……撃ち込みが甘かったかな』
背後から聞こえた蚊の鳴くような声に振り返れば、先ほど胸に弾丸を撃ち込んだ女が、地べたに這いつくばっていた。
ひゅうひゅうと鳴る喉と、血まみれの身体。
せめて苦しまないように…とさらに一発撃ち込もうとしたところで、彼女の口から溢れた言葉に、引き金を引く手が止まる。
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ねこと(プロフ) - omoti_motimoticさん» 素敵なお言葉頂けてとても嬉しいです(*'ω'*)世界観やキャラクターはできるだけイメージを壊さないよう気を付けているつもりなので、そう言って頂けると活力になります!ちょっと停滞してしまってますが更新頑張りますので、また覗いて頂けたら嬉しいです♪ (2020年7月7日 2時) (レス) id: c0f23ad842 (このIDを非表示/違反報告)
omoti_motimotic(プロフ) - ああもう素敵すぎます!!dinerの世界観やキャラクターが崩れることなくキュンキュンさせてくださって最高の作品をどうもありがとうございます、、!! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 96016ea486 (このIDを非表示/違反報告)
ねこと(プロフ) - えいとちゃんさん» 応援ありがとうございます!また、お気遣いもありがとうございます(*'▽'*)更新頑張りますので、また覗いて頂けたら嬉しいです♪ (2019年8月17日 8時) (レス) id: f77f241a94 (このIDを非表示/違反報告)
えいとちゃん(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!風邪などに気をつけてください! (2019年8月15日 2時) (レス) id: 7956a8a6f2 (このIDを非表示/違反報告)
ねこと(プロフ) - アリアさん» 応援ありがとうございます!めちゃくちゃ好きだなんて…すっっごく嬉しいです♪更新頑張りますので、また覗いて頂けたら嬉しいです(*'▽'*) (2019年8月5日 16時) (レス) id: c0f23ad842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこと | 作成日時:2019年7月28日 22時