君死にたまふこと勿れ

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依頼の内容はとても簡単なもので、《標的を亡き者にすること。また、その場にいる人間は全員殺しておくこと》……ただそれだけだった。



私は依頼主に教えられた、標的がいるという別荘へと赴いた。


大きくて立派な建物だなと思ったものの、数時間後には血に染まっているであろう別荘に、特に興味は湧かなかった。





日中は無関係の人がいてはいけないから、私は暗くなるまで待ってからそっと別荘に侵入した。



着ている白いワンピースのフードを目深に被り、太もものホルスターから銃を引き抜く。


暗い廊下を静かに進んでいると、標的のSPと思われる黒服の男たちが私を見つけて、そこから総攻撃が始まった。





バカの一つ覚えのように単調に撃たれる銃の弾を避け、男たちの足元へと走り込む。



近くにいた男の胸に銃弾を撃ち込み、すかさず床に手をついて後方へと身体を滑らせる。


西部のガンマンよろしく頭を狙って数発撃てば、呻き声を上げて数人が倒れた。



それを見て男たちがたじろいだ隙に、腰に巻きつけたバックサイドケースからスラリと大型ナイフを引き抜く。


左手に銃、右手に刃物を握って勢いよく地面を蹴ると、そのままの勢いで群れる男たち目掛けて走る。


すれ違いざまにくるりと飛んで回りながら刃物を振り回せば、残りの男たちは赤い液体を飛び散らせながらバタバタと倒れた。




勢いをそのままに標的がいるであろう部屋へと向かい、道中沸いて出るSPたちを撃ち倒す。



荘厳な扉を蹴破れば、煌びやかな部屋の中には数人がいて、一拍遅れたのちに慌ただしく動き始めた。



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