【w.r.w.r.d!】どうやら彼の愛は重そうです

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連絡を聞いた彼はすぐ来てくれるようで
その間に腹部の止血をする

今まで私がしてきた怪我よりも何倍も血は出ているし、傷は深い

沢山血が出たからか貧血そうだ



ガサガサ音がして、顔を上げればしんぺい神さんがいて



「ごめんなAちゃん、ありがとう」
『いえ、役に立つことは何も…』




大きなカバンの中から包帯やら消毒液やらなんやらを取り出した彼はテキパキと治療していく

やはり軍医、仕事が早い

それを眺めながら、自分に付いた血を見て薄ら思い出す過去に顔を歪ませた





「…久しぶりにダウンしたゾムを見た気がするわ」
『ゾムさんは…』

「ん？大丈夫やで、Aちゃんが止血してくれたし、そこまで大事にはなってへんよ……まぁ流石にここじゃ開けないから中までどうとか確認はできんけど…」
『…』


「Aちゃん？」
『私、今までたくさん怪我してきて…その度に自分を治療して…役に立つ事ないんだろうなって……思ってたから』





『……今、凄く…変な気持ちです』





私が助けた訳では無いのに

ただ、しんぺい神さんの隣で静かに寝ているゾムさんを見ていると、自分のやった事は間違っていないと肯定してくれているようで


しんぺい神さんは安心したように笑い、私の頭に手を伸ばした

優しく撫でた彼は
「初めてAちゃんの言葉聞けた気がするわ」と言い立ち上がる


ゾムさんを運ぶのかインカムで誰かに連絡をしていて
寝ているゾムさんの顔を覗けば、心做しか優しく笑っていてくれるような気がした

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