明日元気になあれ (ページ5)

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光に連れられて、光のベッドに寝かされ、体温計を渡された。

熱はないと思うけどな…。
喉と頭が痛くてボーッとするけど、なぜか熱はない確信があった。

光は自分が寝るための布団を取りに行ってるみたい。

ピピピピ

お、鳴った。

ガチャ

「ふうー、重っ。いのちゃん、熱どう？」

ナイスなタイミングで光が帰ってきた。

「ないよ、ほら。」

「36.2。んー、ほんとだ。よかったよかった。上がらないといいけど。」

「嫌なこと言うなよ」

横目で睨むと、ニヤッと笑う光がムカつく。

「ごめんごめん。さ、これで、よし。俺も風呂は明日にするから、なんかあったら起こせよ」

「大丈夫だって、っけほけほ！」

「もう、どこが大丈夫だって？」

「げほげほげほっ！っは、はあ。…ん、ごめん。」

「わかればよろしい。じゃ、おやすみ」

電気を消して、横になる。
目を閉じればあっという間に夢の中に入って行った。

「…っいのちゃん！いのちゃんってば！」

息苦しさと耳元の大きな声に目を覚ました。

「…げほげほげほっ！げほ、ひかっげほげほげほ！」

「大丈夫、大丈夫。体起こすよ。」

寝ている間に咳き込んでいたらしい。苦しくてしょうがなかったけど、光が体を起こしてくれたら少しましになってきた。

「っは、げほげほっ！…っは、はぁはぁ」

「はい、水飲んで。ゆっくりね。」

優しく背中をさすってた手がなくなったかと思うと、目の前に水が差し出された。

「ん、ありっげほげほっ！」

「もう、喋んなくていいから！」

光に手を添えられて促されるままに、ゆっくり水を飲んだ。

「っは、はぁはぁ…しんど。っは、眠ぅ…」

「ん。体倒すよ。」

「…ありがと…」

光の手が俺のお腹をポンポンしてくれてるのに、なんだか安心して、また目を閉じた。