□ プロローグ ページ1
．
" おめでとうございます！
選ばれしカリスマ実況プレイヤーの貴方に
『ナカノヒトゲノム』
クローズドステージのプレイ権限を与えます
なお、この権限は放棄・譲渡等できません
これよりお迎えにあがります "
ゲームのエンディングに辿り着いたかに思えば、
突如パソコンの画面に奇妙な案内文が現れた。
「うわ…マジなんだコレ」
その奇妙な案内文に、そのパソコンの持ち主である少年は、
＿＿＿『ナカノヒトゲノム』
それがこのゲームのタイトルだ。ネット上で公開され、口コミから学生中心に人気のフリーゲーム。選んだ「監視者」に従いゲームジャンルを選ぶことができ、総合クリア数でストーリーが開放される仕様。アイテムの「染色体」を22本集めるとエンディングを迎える。
だが、真実性のあるクリア情報がなく、プレイ動画や攻略サイトもエンディング手前で更新がなくなることから「失踪ゲーム」と呼ばれている。
そんな謎が多いナカノヒトゲノムのエンディングを迎えることができたこの青年、
「ま、とりあえず写真撮っとこ」
記念……つーか、証拠として。
ｶｼｬｯ＿＿＿慣れた手付きで最新式のスマートフォンで、パソコンの画面の写真を撮った。
だが……「うぅっ…!!?!」
突如として東雲に襲ってきたのは、強烈な眩暈だった。視界が歪む。頭が一気に重くなる＿＿そんな症状に耐えきれなくなった東雲は、床に崩れ落ち、そして＿＿＿気を失った。
「どうか、死ぬ気で実況して下さいませ」
．
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作者名：葵5563 | 作成日時：2019年9月8日 16時
