犬と猫は付き合ってるようで【男主】 (ページ6)

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犬と猫/5 ページ6

『ただいま〜』

夜21時
今日はオフの北斗が待つ家に帰ってきた
いつもならあの大型犬がしっぽをブンブン揺らして「おかえり！」なんて飛びついてくるのに

今日はそれがない
電気は着いてるのに
様子がおかしい
もしかして…頑張りすぎて体調悪くしたとか…？

俺はなんだか不安な気持ちになってリビングへと急ぐ

するとそこにはソファの端っこでクッションを持ちながらちっこく座る北斗が

『ただいま』

松村「…おかえり」

明らかに不機嫌な北斗
俺が原因なのかそれとも他の人なのか

『北斗どうしたの』

松村「気づかないんだ」

気づかないもどーも今帰ってきたからね
状況掴めないよ

『ごめん…教えて欲しい』

正直、面倒臭い
なんでこっちが機嫌取りしなきゃなんねーの
って思っても俺が好きになったのは面倒で不憫なかまってちゃんの松村北斗
俺案外、好きな人のためなら何でもするタイプの人間よ

だから

『何を北斗のことを不安にさせてる？俺？』

聞かせて欲しい
これじゃどちらが年上か分からない

松村「…テレビ」

『テレビ？』

松村「猪狩と共演してたテレビ！」

急に大声で言われるものだからびっくりした
俺はすぐにSNSを開いて確認する
すると俺の名前と猪狩の名前がトレンド入りしていた

タップして見てみると

「猪狩が上げた指輪つけてきてるAくん可愛い」
「あの指輪めちゃくちゃ高いやつじゃね？さすが猪狩」
「左手の親指ってのが中々にいいですねぇ」

その書き込みを見てすぐに察した
まぁあらかたそんなことだろうとは思っていたけど

『嫉妬したの？』

松村「悪かったな」

『あれは話のネタになるかなって思っただけ』

松村「分かってる、でも、テレビ上であんな自慢してるみたいな感じで言わなくなっていいじゃん」

『うん、ごめん、じゃあ、次テレビ出る時は北斗から貰ったやつするから、許して欲しい』

松村「…それなら許す」

『ありがとう、北斗』

俺はそういい北斗を抱きしめた
北斗は自己肯定感の低い俺を助けてくれる
なら、人より独占欲や嫉妬心が強くて些細なことでも不安になる北斗のことを助けるのが俺の恋人としての役目だ