3つ目の恋路。 ページ3
───次の日の朝。
僕と彼女は同時に目覚めたようだ。
「おはよう」
「あら、おはよう」
互いに挨拶を交わし、どちらからともなく言葉を紡いでく。やはり、こうして彼女と話すことは僕にとってはとても大切で、かけがいのない時間だ。
こうして彼女との貴重な時間を過ごせる喜びを噛み締めていると、いつの間にか「外」に出る時間になっていたようだった。
今日は僕が先に出掛けることになるみたいだ。彼女に「行ってきます」を言い、僕は「外」にでる。
「外」に出て最初に「顔」を少し水で濡らされ、次にクリームをちょこん、とつけられる。
そして────僕は「持ち主」の「口」の中へと入れられていく───
シャカシャカ、と小気味良い音を出して磨かれる、僕の「持ち主の歯」。そう、僕達は歯ブラシである。1日に3回、持ち主の歯を磨く役割を担っている。だから、仕事中は彼女と話せずに、ただ時が過ぎるのをじっと──持ち主に動かされるので体は動いているが──待つしかないのだ。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←2つ目の恋路。
ラッキーアイテム
革ベルト
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイスクリーム(プロフ) - いいですね〜 (2019年1月21日 14時) (レス) id: fe9042f2fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みみょな | 作成日時:2018年12月17日 21時