愛と感謝 (ページ7)

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「…そーゆう気遣い、アホくさいわ」

「…なんやねん、それ」

「…俺が来たくて来たんやから、ええやろ。…廉やって、本当は居てほしいんやろ？」

「…………ぉ、ん……」

「…ほら。今日くらい、強がりは無しやで」

強がり…

別に、俺は強がってるつもりはないのだけれど。
紫耀は、真剣になるとふと関西弁が出る。
その紫耀の口から出る柔らかい関西弁は、時にひどく俺を弱くさせる。

「……別に、強がってへん…」

「そーゆうのが強がりなの。風邪引いて、一人で寝込んでたら、誰だって寂しいやろ？」

「………寂しい」

「そんな時恋人に、帰ってなんて言えるか？普通。強がってるんやろ、寂しくなんかねぇよーって」

「……せやけど、しょおやって明日も仕事やんか…」

「…甘えろよこーゆう時くらい。今日だけ、許すから」

あの紫耀から発せられた言葉達だとは思えないくらい、俺も納得がいっているのに驚いた。

言い返せなかった、ただ単純に嬉しくて。

"今日だけ、許すから"

そんな、紫耀の言葉に。

「………しょお、…ありがと、な…」

「…ん。」

頭をポンポンとされる。
いつもなら恥ずかしくて振り払うけど、今日はそれすらも嬉しくて。

"強がり"を捨てて、甘えてみるのも許されるなら……

【強がり/fin.】