愛と感謝 (ページ24)

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しかし、昨夜は気にも留めていなかったその紫耀の一言は、何故か今更重く響いてなかなか頭から離れなかった。

冗談だと、分かってはいるのに。

勝手に脳裏では紫耀が居なくなってしまった時を想像させられる。

(……あり得へん、縁起でもない)

ーーーでも、もしも本当に、紫耀が俺の前から姿を消してしまったら。

(…俺は、どうなってしまうんやろ…)

考えてみたことも無いから、新鮮な思考回路が働く。

頭が持ち上がらないくらいに落ち込んで、立ち直れなくなるのだろうか。
また、昨夜見た映画の主人公のように、恋人を失った絶望を感じて涙に明け暮れるのだろうか。

「……………」

よく考えたら、酷く恐ろしいことだった。

愛しい人が居なくなってしまうなんて、想像ですら考えたくない。
それほど俺にとっては相当重くて、残酷なことだった。

有り得もしない想像から不安が駆け巡る中、携帯の着信音が鳴った。

「……はい」

『…、廉？』

俺の中で、消え去りそうだった人物からの電話。

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