愛と感謝 (ページ21)

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さんきゅ、と言っていつもの部屋着に身を包んだ紫耀はソファーにもたれ掛かり、疲れたー、と言って伸びをする。

「なんか、映画でも見ようか？
…今日はちょっと夜更かししよ」

完全オフモードの紫耀は、一気に幼い少年のようになる。
ノーセットのサラサラなストレートの髪が揺れ、俺に甘く微笑む。
と、同時に紫耀のいるソファーに引き込まれ、後ろから腕を回される。
ふわっと、俺と同じシャンプーの香りがした。

これが、俺の好きな時間。

紫耀の腕の中にうずくまるこの時を、ずっと求めてた。
どんなに疲れていても、この一瞬があるから頑張れるんだ。

その状態のまま、リモコンを手に取り次々と画面に映し出される映画のタイトルをスクロールする紫耀。

「…何見るん？」

「んー…」

紫耀が選ぶのはいつも洋画だから、また今日も洋画だろうな、なんて思いながらも映画が始まるまで出来るだけ紫耀にくっ付いて、触れていたくて。
温かい体温が、溶けてしまいそうなくらい心地良い。

しばらくして画面から流れてくる映像は、邦画の以前にヒットした純愛ラブストーリーだった。

紫耀にしては珍しく、少し意外だったが、俺自身もこの手の映画はあまり見たことがなかったのでそのまま観ることにした。

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