愛と感謝 (ページ20)

今日:8 hit、昨日:15 hit、合計:133,331 hit

君の為に出来ることページ20

.

【君の為に出来ること】

ほぼ毎日公演される舞台の合間。
紫耀とは毎日顔を合わせているが、それは仕事としてであって、2人で過ごす時間は久しく過ごしていない。

明日は午後からの公演。
朝少しはゆっくり出来るからと、紫耀の提案で急遽うちに来ることになった。

久しぶりの2人きりの時間を過ごせることが決まって、心が浮ついて自然と口角が上がってしまう自分がいた。
まだ、今日の公演も終わっていないのに。

「れぇん、今日はなんか嬉しそうだね？」

「…え？そおか？別に普通やろ」

「れんはすーぐ顔に出るんだから。長年れんを傍で見てきた俺にはお見通しだぞー」

海人にまで見抜かれていた、単純な俺。
にやにやしてヤジを入れてくる海人に、うっさい、と小突きをひとつかましてやった。

あと3時間後には、紫耀との時間がやってくる。

…はやく、はやく。

公演時間になり仕事モードに切り替えつつも、頭の片隅では早く時が過ぎるのを願った。

***

「…お疲れ、かんぱーい」

夜22時30分すぎ。
久しぶりに晩酌をしようと買ってきた数本のお酒と、少しのつまみ。
30分ほど前に紫耀が来て、すぐにシャワーを浴びて今に至る。

「…はー、酒久々やわ、俺」

「しょおあんまり飲まれへんもんなぁ。適当に買うてきたから、好きなの飲んだらええよ」