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紫耀は苛立って強く俺にそう言った。
紫耀の、強く鋭い目線を感じるが、続けて目を逸らすことしか出来なかった。
そのまま紫耀は足早にメイクルームへ行ってしまった。
俺はその場から動けず、しばらく立ち竦んでいた。
なぁ、紫耀。
お前はどう思うとる？
少しでも、あの頃の俺たちには戻れないことを哀しく思ってくれとんのやろか。
俺が紫耀を想えば想うほど、きっとお前を傷付けてしまう。
もう哀しい紫耀の顔、見たないねん。
だから、俺がこの気持ちに封をして、適度な距離感で接すればいい。
仕事仲間として、良き戦友として、やり過ごせばいい。
それ以上のものを望んでしまうから、辛くなる。
(………ごめんな、しょお)
もうあの頃の俺らには、戻れないから。
心の隅で、未だにお前のことを好きでいる俺を、許してな。
【もう戻れない/fin.】
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作者名：moca | 作成日時：2020年2月16日 12時
