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『確かに、参加自由なはずなのに、成人式って義務のようになってると思う』
「そう？」
『ふたりが出た方が良い！って言った後に言うことじゃないんだけど、』
私は別に出なくても良いと思う。
俺や目黒を見るわけでもなく、マイクに向かって、このメールを送ってくれた子に向かって語りかけるように鳥ちゃんが言った。
さっきまでの和やかな空気感が、一瞬にして少しだけ張り詰めたようなものに変わる。
小鳥遊Aが、自分の言葉で自分の意見を真剣に言う時の空気感。
それがラジオブースに充満する。
『成人式なんて出なくても大丈夫。出ない、という選択を自分で決意したのなら、それこそがあなたの人生だと思う。「自分本位」なんかじゃなくて「自分の人生」だよ。大丈夫、大丈夫だからね』
「……確かに、そうかもね」
『そもそも成人式って何なんだろう』
まさかそんな質問をされるとは思わなくて、目黒とふたりで、確かにそもそも何だ？なんてことを言う。
当たり前にありすぎるものに対して、俺たちは意味を深掘りしないのだと気付かされる。
鳥ちゃん、これ何？
俺たち今、何かの授業受けてる？
『大人になったことをお祝いする日、だと思ってたんだけど、最近の風潮的には、もう二十歳なんだから大人になりなさい、って言われてるように思えるんだ、私は』
「うわっ、そう言われるとそうな気がした……やめろ、小鳥これ以上は」
『ええ……、まだ何も伝えられてないんだけど』
「まだ何かあんの？！もう良くない？！」
さっくん声でかいな、なんて言いながら、それでもまだ言葉を探すようにうーん、と考えている鳥ちゃんは、こういう質問に対していつもまっすぐで真剣だなと思う。
誠実で誠意があって、それがきっと、小鳥遊A自身を救ってきたのだろうし、それに足元を掬われる時もあったのだろうな、とも思う。
たっぷり時間を取りながら、鳥ちゃんがまた口を開いた。
『この方の親御さんがどうしてここまで成人式に行くことを勧めるのか考えたんだけど、普通の道をみんなと同じようにきちんとした姿で歩いていることを確認したい、って言うことなのかなあ。ご両親だって少しだけ長く生きてるだけの同じ人間だもの。自分のしてきたことが間違ってないか、確認したくなることもあるんだと思う。あなたにとって自分たちのしてきたことが最善であったかを確認したかったんじゃないかなあ』
そうだとしたらすれ違いで悲しいね、と鳥ちゃんが呟いた。
親が子どものことを分からないように、子どもも親のことが分からないもんね、と続ける。
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小夜(プロフ) - 黒羽さん» 黒羽様、コメントありがとうございます。心を動かせるような文章を書きたい、と思っておりますので、いただいたコメント本当に嬉しいです。これからも更新を自分のペースで続けて参りますので、最後まで見届けていただけますと幸いです。本当にありがとうございました。 (5月7日 22時) (
レス) id: 21e7727b2a (このIDを非表示/違反報告)
小夜(プロフ) - ういさん» うい様、コメントありがとうございます。お気に入りと言っていただけてとても嬉しいです。これからも自分のペースでお届けできればと思っておりますので、楽しんでいただければ幸いです。うい様もくれぐれもご自愛ください。本当にありがとうございました。 (5月7日 22時) (レス) id: 21e7727b2a (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - 更新ありがとうございます。ボロボロ泣いてしまいました…。体調優れないようですね、、季節的なものも相まってしんどくなりますから、ご無理なさらずご自愛ください。♡ (2023年4月11日 22時) (レス) @page32 id: cbd5662403 (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - 更新ありがとうございます！！とてもお気に入りの作品なので、更新嬉しいです！主様も体調にはお気をつけて無理せず更新頑張ってください！応援してます！ (2023年4月10日 23時) (レス) @page32 id: ae901686b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小夜 | 作成日時：2023年1月9日 8時
