2.涙 ページ3
としみつside
と「うーっす。」
虫「あ、としみつおはよ」
てつやの家に上がると、
虫さんとりょうがゆったりコーヒーを飲んでいた。
これは日常茶飯事。
しかしいつもと違うのは
俺が遅刻しなかったこととキャリーバッグを持っていることだ。
り「Aと行って以来の東京なんじゃないの?」
ニヤニヤしながらこちらを見るイケメンをよそに、
俺はソファに座り込む。
と「でも今回お前行かないんだろ?」
り「うん、残念。」
虫「僕ととしみつとてつやとAか。
…先が思いやられる。」
り「ドンマイ虫さん笑」
と「そういや2人は?」
てつやが寝坊しないようにと、
前日泊まると言っていたAが
さっきから見当たらない。
ちなみに俺らは同棲はしていない。
まだ付き合って半年も経ってないし…
というより、
付き合っても今まで毎日のように会っていたので
今更感があって。
たまにお互いの家を行き来はするけど、
一緒に住もうなんて話は出ない。
いや、こういうのは俺が言うべきなんだけどね?
そんなことをもやもや考えているうちに、
足は勝手に進んでいて、
気付けば編集部屋の前にいた。
ドアを開けると、
そこにはベッドに座るてつやと
床に座り込むAの姿があった。
と「おはよー」
て「おぉ。
おらA、としみつ来たぞ」
と「ん?なに?」
俯いているAの隣に座ると、
鼻をすする音が聞こえた。
と「え…!?A?」
『ごめんごめん、大丈夫』
無理して笑うAの目は赤くなっていた。
こいつ、今日の東京行き楽しみにしてたのに
泣いたりしてなにがあったんだよ
と「どうした?A」
て「未だ消えぬアンチですよ。
俺は気にすんなって何回も言ってるんだけどね〜
としみつ、あと任せたわ」
よっこいせ、と立ち上がっててつやはリビングに消えた。
『ごめん…家出なきゃいけないのに』
と「そんなん気にすんな。
それより、ほら」
『ん…』
俺は自分が着ていたパーカーの袖でAの涙を拭いた。
と「ルール破ったろ」
『ごめん』
お互いの気持ちを知ってからというもの、
特別に何かが変わったわけではないけど
ひとつだけ、何に対しても「我慢しない」というルールを設けた。
こうすることでずいぶん楽になれたんだけどな
アンチか…
こいつを悲しませるやつは俺が許さねぇ。
Aを抱きしめて俺はこいつを守ると決めた
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ハル(プロフ) - ばんさん» コメントありがとうございます!止まってしまったままだったのでこれを機に書き始めてみようかと思います! (2020年5月26日 22時) (レス) id: 03703670b5 (このIDを非表示/違反報告)
ばん - すごく面白いです、、!!今更ですがもし続きがあれば嬉しいです!! (2020年5月22日 4時) (レス) id: c83a86780e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2018年2月8日 12時