26.鈍感コンビ ページ27
虫眼鏡side
『もう全然わからん』
頭が混乱しまっくてるAの肩に手を置いて向き合う。
ここまできたらいよいよ話しすぎだよね。
絶対りょうくんに怒られる。
「Aはさっき、僕が
お前は何を気にしてるんだ
って言うのを聞いたんだよね？」
『うん、聞いた』
「それでやめてって言った。」
『うん、だって、虫さんの言うことが図星すぎて
聞いてられなかったんだもん』
「でも僕はあのとき
Aに言ったつもりはなかったよ」
『なんで？』
「僕はてっちゃんに対して話をしていたからね」
『あ、そっか…』
「なんで僕がてっちゃんにそんなこと話してたかわかる？」
『…？
ううん、わかんない』
「それはてつやがAと同じ気持ちだからだよ」
『あ…』
「見てられなくてつい口を出したのは悪かったけど、
Aにとっては的を射てた発言なんでしょ？
それならてつやにとっても的を射てたはずだよ」
『でも、てつやが私のこと好きなんてどうしてわかるの？』
「Aがてっちゃんのこと好きなんだろうなって
気付いたのと同じことだよ
2人とも顔に出過ぎてるんだ」
『えっ』
自分の両手で頬を挟むA。
「それだけじゃないけどね、それは自分で考えてみて」
『うーん、私の気持ちが虫さんにバレてたのはいいとして
てつやのことはわからないんだけどな』
「ほんとに君たちは
よくも悪くも似過ぎなんだよ。」
僕は立ち上がり、
眉間にしわを寄せるAにデコピンを食らわせた。
『いった！』
「僕もう帰るね」
『え、でも、もう遅いし泊まっていったら』
「いや、喋り過ぎたのを反省してくる。
でも僕はこれでもよかったと思いたいよ
Aはもう寝な。おやすみ」
そう言って玄関へ向かう。
編集部屋を覗くと、
パソコンに向かいつつ何もしないでいるてっちゃんの姿があった。
「てっちゃん、僕帰るね
余計なことばっかり言って怒鳴ったりしてごめん」
て「…虫さん」
「うん」
て「心配かけてごめんな」
「そんな、謝らないでよ
じゃあね」
じゃあな、と小さく返すてっちゃん。
家を後にし、
僕は冷え込む夜道を歩きながら呟いた。
「怖いものなんか、2人なら簡単にぶち壊せるでしょ
頑張ってみてよ。鈍感コンビ」
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ハル(プロフ) - りんごパイさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7177ba363e (このIDを非表示/違反報告)
りんごパイ - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 5時) (レス) id: 4e652dc6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2018年1月12日 16時
