24.やめてよ ページ25
Aside
とても深い眠りについていた気がする。
ふと時計を見ると、
それでも時刻は深夜2時近く。
思ったより時間経ってなかったな
なんて考えながら身体を起こす。
シャワーでも浴びようと、廊下に出ると
てつやの編集部屋から電気が漏れているのを見つけた。
みんなで飲んだあとくらい休めばいいのに。
そう思い近づくと、
ドアの向こうから聞き覚えのある声がした。
『虫さん…？』
あれ、私たち一緒に帰って来たんだっけ。
でもあのときはてつやだけだったような…
そのとき私は思い出した。
眠りにつく前、てつやに余計なことをベラベラと話したのを。
ほんといらないこと言っちゃったなぁ…
困っただろうな、ちゃんと気にしないよう言わないと
ドアノブに手を伸ばすと、
虫さんの声は一段と大きくなった。
虫「お前にとってAは何なんだよ！」
え…私の話…？
全然状況が読めない。
ただ、虫さんが怒っているように
いつもと違う声色で話しているのが伝わってくる。
そんな…
てつやにとって私は、ただの友達
メンバーの1人に決まってるじゃん。
何を今更。
その場に立ち尽くしていると、
虫さんの一言で我に帰った。
虫「お前は何を気にしてるんだよ！」
気にしてる…？
何を…？
虫「自分の気持ちを自覚するのが怖いんだろ！
何でだよ！
何がお前をそうさせてるんだよ！」
虫さんの言葉はグサグサと胸に突き刺さってくる。
やめてよ。
そんなこと、言わないで。
心の中で思っていたはずの言葉は、
いつの間にか声に出ていた。
て「…えっ、A…？」
虫「…そこにいるの？」
2人の声が聞こえたかと思うと、
目の前のドアが開いた。
虫「大きな声出してごめん。起こしちゃったね」
虫さんは部屋から出てくると、
私の手を引いてリビングへ向かった。
後ろを振り向くとてつやの姿が見えたけど、
どんな表情をしていたかはわからなかった。
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ハル(プロフ) - りんごパイさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7177ba363e (このIDを非表示/違反報告)
りんごパイ - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 5時) (レス) id: 4e652dc6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2018年1月12日 16時
