21.ごめんね ページ22
てつやside
「おーい、大丈夫かよ」
『大丈夫大丈夫…』
「とか言ってふらふらじゃねぇか」
居酒屋をあとにして、おのおの帰っていくメンバー。
その場で解散するつもりだったが、
珍しく酔ってふらついたAも連れて帰ることに。
「ほら、着いたぞ」
腕につかまったままのAを寝かそうと、
和室に敷きっぱなしの布団の上まで連れていく。
『ん、ごめんね』
酔ってはいるものの、まだ自我はあるようだ。
「いちいち気にすんなよ、俺とお前の仲だろ」
『…なにそれ？』
「え？」
『てつやと私の仲って、どんなん？』
「いや、普通に気遣わなくていい関係ってことだよ、
ずっと前から俺らは友達だろ」
『そっか…そうだね…』
「とりあえずお前は寝ろ、明日は撮影もないし」
『てつや。』
上着を脱がせて無理やり寝かせると、
Aは力のない声で俺の名前を呼んだ。
いつもの元気がないAに、少し戸惑う。
「どうした…？」
『私とばっか一緒にいたら、ダメだよ』
「何だそりゃ。メンバーなんだし一緒にいるのは当然だろ」
『でも、私は女だよ。
…みんな忘れてるかもしれないけど』
「何が言いたいんだよ？笑」
『てつやは友達として一緒にいると思ってるからわからないんだよ』
Aは俺の頬に右手を伸ばし、そっと触れる
今までハグなんかをふざけてやったこともあったが、
こんなに優しく触れられるのは初めてで、
酒が入ってるせいもあってか何だか動悸が激しくなる
『私のせいで、幸せになれなかったらごめんね』
「…え？」
俺が聞き返すと同時に、
Aは目を閉じて眠ってしまった。
訳がわからない状況にまったく理解ができなかった。
Aの隣で座り込み、どういうことか考えてみるが
ただ時間が過ぎるだけだ。
そんな俺のもとに虫眼鏡がやってきたのは、
深夜１時をまわった頃だった。
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ハル(プロフ) - りんごパイさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7177ba363e (このIDを非表示/違反報告)
りんごパイ - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 5時) (レス) id: 4e652dc6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2018年1月12日 16時
