【頑張り屋さん】 ページ2
朝のHAP。出勤時間より前なのにパソコンに向かってる人がいた。
「あれ、一番乗りだと思ったのにな。おはよ〜」
『…おはよ、だいちくん』
はじめくんの助手、Aちゃん。
「うわ、クマすご…もしかして帰ってない?」
『うん。泊まり。ふあ〜仮眠しようかな』
目元を擦りながら背もたれに身を預けた彼女が言う。
「しなしな。ソファを使うがいい!」
『うるさ(笑)じゃあまあ、お言葉に甘えて…』
毛布を抱えてゴソゴソ移動しながら、
『あ、はじめくん2号室で死んでそうだから様子見てきて』
こんな時もはじめくんの心配。自分も死にそうなくせに。
「ん。ゆっくり寝なよ」
『3時間くらい経ったら起こしてくださいな』
一応アラームかけるけど、と言いながらiPhoneをいじる頑張り屋さん。
「ねえAちゃん」
『なあに?』
「いつもありがとね」
眠たそうな瞳が俺を捉える。
「頑張ってて偉いよ」
『…なに急に』
「別に〜??はいはい早く寝な〜」
『はいはいおやすみ(笑)』
『ありがと、だいちくん』
「うん」
1時間後、騒がしく入場したけんすけがAちゃんの眠りを妨げて叱られていた。
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作者名:あめ | 作成日時:2019年6月17日 17時