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…ああ心操くん辞めて、これ以上彼を刺激しないで私の腹が絞め殺される。
その後にB組の人が更に挑発を重ねてきて、私は死を覚悟した。
どうなってもいいように目をギュっと瞑っていたけれど、普段だったらキレて大声を上げていそうな勝己が無言のままだ。
そして、突然私を連れて扉へ歩き出し人をかき分けようとする。
いつもと反応の違う勝己に混乱していた時、後ろにいた鋭児郎が「おい！ヘイト集まりまくりじゃんか！」と声を上げた。
「……。」
「勝己…？」
「関係ねえ。」
「…え？」
「上に上がりゃ、関係ねえ。」
そう一言吐き捨てて、私を連れたまま廊下に出る勝己。
私は腕を引かれるまま昇降口まで連れてこられ、そこで漸く手を離される。
私に背中を向けたまま俯く勝己に、「…あの。」と声をかければグリンッと凄い勢いでこちらに顔を向けてくる。
振り向いた勝己はさっきまでの冷静さなんて何処かに捨ててきたのか、般若のような顔で私に詰め寄ってくる。
「えっ、あの、勝己さん…？？」
般若顔のまま無言で壁まで追い詰められたと思ったら、急に至近距離で叫ばれる。
「てっっめえはっ！！『警戒心』ってもんがねえのかっ！？毎回毎回男にあんな簡単に触られてんじゃねえよっ！！！」
ええ、勝己だって私のお腹に腕回して抱き締めてきたジャン…。と思ったけれどそれを言ったら確実に顔面爆破だと思ったので辞めた。取り敢えず謝っとこうそうしよう何事もまず謝罪。
「えと、ごめ「取り敢えず謝っとこうって思ったろいまあっ！！」………はい。すみません。」
「ちゃんと意識しろ！てめえは敵に狙われてんだ！常に警戒心もっとけ！！」
ええ、常に…。と思ったけれど私のことを心配してくれているからこんなに怒っているのだと理解しているので、素直に返事をする。
反省していると分かってくれたのか、勝己は般若からいつもの顔に戻って靴を履き替え始める。
もう怒ってない…？と心配でずっと立ちっぱなしの私の方を見て、
「…もう怒ってねえから、行くぞ。」
そう優しい声音で言ってくれた。
「ありがとう、心配してくれて。」とお礼をして二人で夕日に照らされながら家路についた。
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作者名：HamA | 作成日時：2020年9月1日 16時
