緋色 Part.3

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「緋龍…、相変わらずモテモテだな。」

「ちょっと言っている意味が解らないかな心操くん。」

引き剥がされても尚、会話を続ける私達についに痺れを切らした勝己。

「いい加減にしろや…。」と後ろからドスの効いた声が聞こえ、冷や汗を流す。

心操くんにこれ以上はまずいよと目で訴える。

「はあ…。血気盛んだな。俺はナンパしに来た訳じゃないから安心してくれ。」

「じゃあ何しに来たんだよっ！！！！！！」

「宣戦布告。」

…ん？宣戦布告…？？

何だか嫌な予感がして、勝己の腕から逃げようとするがさっきよりも強い力で抱き締められチラッと勝己の顔を見れば「逃がすかよ。」と目で脅された。もう嫌だ今日は散々だ。

脱出を諦め、大人しく心操くんの言葉の続きを待つ。

「あのな？普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったってやつ結構いるんだ、知ってた？」

成程、それでこの鋭い視線って訳か。と廊下の大衆を見る。

物珍しそうな顔の生徒もいたけれど、大半の人が私達に敵意のある視線を向けていた。

…勝己のあの言動のせいってだけな訳ではなさそうね。

「知ってたか？体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだってさ。その逆もまた然り…らしいよ。」

「『敵情視察』…？少なくとも普通科(おれ)は、」

「調子乗ってっと、足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー、『宣戦布告』しに来たつもり。」

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