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｢…緋龍…なのか。｣
｢そう、緋龍ですよ。｣
もう一度、｢久しぶりだね。｣と言って彼の目を見る。
｢お前ヒーロー科だったのか。｣と言われて、｢そうだよ、入れたの。｣と答え、
｢心操くんだってヒーロー科でしょ？B組じゃないの？｣
｢…違うよ。俺は普通科だ。｣
｢……はっ！？｣
彼と私は中学の同級生だ。クラスは違ったけれど委員会が同じで、ヒーローを目指す者同士たまに話をしていた。
彼は一般入試で試験を受けると聞いていたが、雄英に受かったと先生から聞いていたのでヒーロー科に受かったのだと思っていた。
でも、彼の個性で落ちるなんて、そんな事あるのか…？
そこで私は思い出す。試験の仮装敵が『ロボット』だった事を。
｢はぁ…。あの試験、変えた方が良いと思うの私だけ？｣
｢仕方ないよ、緋龍が受かって良かった。｣
何だか悲しくなってしまって、眉毛を八の字にして心操くんを見る。
心操くんは少し笑って、私の頭を撫でながら言った。
｢緋龍は本当に優しいな、大丈夫。俺考えがあるから。｣
｢考え…？｣
そう心操くんと話していれば、私の頭の上にあった心操くんの手が弾かれる。
突然の事に吃驚して目を見開いていたら、
｢ンだてめぇ！コイツのことナンパしに来たんならさっさと消えろ！｣
そう勝己が叫んだかと思えば、お腹に手を回されてギュッと抱き寄せられた。
…何だこれ、デジャブだ。
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作者名：HamA | 作成日時：2020年9月1日 16時
