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｢…これ、跡残っちゃったの？｣
しょう兄の右目の下の傷跡を撫でながら聞く。
…痛々しい。
｢ああ、うん。残った。｣
｢ごめんなさい、しょう兄。私のせいで。｣
｢だから、Aのせいじゃないって言ってるだろ。｣
そう言ってはくれても申し訳なさは消えない。
私は傷跡を撫でながら暫くそれを見つめる。
｢…A。｣
｢…？なに？しょう兄。｣
｢俺もう怪我治ったんだよ。｣
｢え…、うん。良かった。｣
｢…マジで警戒心ねえな。｣となにかボソッといったと思ったら、急に両頬に手が添えられる。
突然なんだと思っていればグイッと顔を近づけてくるしょう兄。
｢…もう逃げられねえんだぞ、A。｣
｢……やべ。｣
｢気付くのおせーよ。｣と頬にキスをされた。
｢〜〜〜〜〜っ！？！？！？｣
｢お前本当に反応初だよな。｣
耳元に顔を近づけてきたと思ったら、｢可愛い。｣と言って耳にキスされた。
吹かかる息と触れた唇の感触が擽ったくて、｢んっ…！｣と自分の声なのかと思う程の甘ったるい声を出す。
自分の声に恥ずかしくなって顔を真っ赤にしていれば
｢…耳弱いのか。｣
｢っ！！！！｣
何かを察したしょう兄はその大きな手で私の頭を抱き寄せたかと思えば、私の耳を甘噛みした。
｢ちょっ…！！｣
｢手出さないって言ったじゃんっ…！｣と私の耳で遊ぶしょう兄に言えば、耳元で｢ンなの守れるかよ。｣と言われた嘘つきコノヤロウ。
その時、本日2度目のインターホンが鳴り響いた。
その音に動きを止め玄関を見るしょう兄。ああ誰だか分からないけどありがとう助かりました。
｢出るよ。｣と言って玄関へ向かうしょう兄。
｢はい。｣と玄関を開けたしょう兄が固まった。え？どうした？
その次にバサッと何かが床に落ちる音がして流石に様子を見に行こうとソファから腰をあげる。
｢しょう兄…？どうし…た…っ！？！？！？｣
扉の向こう側を見て私も固まってしまう。
嘘じゃんなんでこのタイミング私が出ればよかったっ…！！！！
｢おい、何で相澤先生がここにいるんだ…？？｣
｢説明させて、勝己。｣
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作者名：HamA | 作成日時：2020年9月1日 16時
