緋色 Part.3

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｢……何事？？｣

放課後になり、家に帰ろうと鞄を持ち扉へと向かい開けた瞬間、大勢の人集りの姿が目に飛び込んだ。

広い廊下を埋め尽くすほどのその人集りは、どうやら体育祭の下調べとして、敵の襲撃を受け無事に生還した私達A組を見に来たらしい。

出れない…。と思っていると、

｢敵情視察だろ…。意味ねェからどけ、モブ共。｣

｢勝己…。言い過ぎ…。｣

取り敢えず知らない人の事をモブと呼ぶのを辞めた方が良いと思う。

廊下からのブーイングが凄い。おい勝己ヘイト集まりまくりじゃねえかどうしてくれんねん。

その時、人だかりの向こうから紫頭の背の高い少年が姿を現した。

…あれ、あの人。

｢ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい？こういうの見ちゃうと、ちょっと幻滅するなぁ。｣

｢心操くん冗談辞めて、こういうのはそこの馬鹿だけよ。｣

私の言葉に驚き、こちらを向く心操くん。

勝己も名前を呼んで言い返す私に驚いている様子だった。

そんな2人なんて梅雨知らず、私は笑顔で話しかける。

｢久しぶり、心操くん。｣

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