【呪術廻戦】こんなトリップ望んでない3

101 優しく ページ1

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マグカップのコーヒーはすっかり冷めきっていて
自分が長い間思い出に浸っていた事に気づく


ぐびっと人飲みして、流しでマグカップを洗う




『結局お礼、言えずじまいになっちゃいました…ご馳走様です。私は失礼しますね』


｢ああ、頑張れよ｣




医務室のドアを閉めてAの足音が遠のいていく
家入は席を立ち、ベットの仕切りのカーテンを思い切り開けた




｢何時まで寝てる気だ、悟｣


｢僕は心の病を患ってるんです〜優しくしてください〜！｣



｢……そろそろAに優しくしてやってもいいんじゃないか？言わなきゃ分からない事もあるだろう｣



｢優しくねえ…Aってどう笑うの？｣



｢はあ？｣



｢僕はAが笑ってる姿、見たことないんだ
口を開けるとAを傷つけることばっかり言っちゃってね…優しさが暴力になってたのかも……｣



｢悟、お前……気持ち悪いな｣



｢ちょっと！そこは同期として優しくフォローする所でしょ！？｣




家入に出て行けと蹴飛ばされ、嫌々とベットから起き上がり軽く体を伸ばしながら
五条悟も医務室を後にした


廊下を歩きながら外を見ると1年達とAが笑顔で会話しているのが見え足を止めた



あの笑顔、僕に向けられた事なんて無かったな…




｢優しくねえ……｣




心の声が漏れている五条悟は前を向き直り、また歩き出した



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