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図書室は静かでいい
五月蝿い奴らは居ないし、長居しても怒られない
知りたい資料はあるし、冷暖房完備、最高
棚から数冊取り出し、空いている席に着く
ページをめくる音と微かに香る本の匂い、意外と好きだったりする
隣の席が動いたのを横目に見て、他の席空いてんだから此処に座らなくたっていいじゃないか
視線を本に戻し読み途中の所から再開する
「難しい本、読むんだね」
優しい声が隣から降ってきて、ページを捲る手が止まる
「この前はどうも、怪我大丈夫だった?」
『…何の用ですか?夏油先輩。本、読むなら他の席の方が良いですよ』
「ククッ、悟だけじゃなくて私達にも手厳しいんだねキミ」
『私は皆に同じ対応をしてます。独りの方が楽なので』
「そーかな?私はキミを何度か見かけた事があるんだ
独りで歩くキミは楽というより寂しそうな顔をしていたと思うんだけど、違うかな?」
読むのをやめて、夏油を見ると笑顔で「当たり?」と聞いてきた
『どちらでも夏油先輩には関係ない事です。』
「そーなんだよねー、キミの家って結構ややこしいじゃん?黒い噂も立ってるし、出来れば関わりたくなかったんだけど悟がうるさくってね」
『五条先輩が?』
「クソムカつく後輩の情報ほじくり返して弱音握ってやるーって」
五条悟のモノマネをしながら話す夏油に少し笑ってしまう
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作者名:あんこ | 作成日時:2021年2月13日 9時