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63 甘い香り ページ13

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仕事も終わり、高専の校舎を出て愛車へと向かう

だが、歩みを止めてしまう
何故なら五条悟がこちらに向かっているからだ


前回から気まづくて…
逆に気まづくない方が可笑しいな
極力会わないようにしていたのに何故…!


どう行っても五条悟と鉢合わせるルートしかなく、
諦めて歩みを進めた


近づくにつれ目を合わせないように
視線を逸らしてしまって
挨拶さえ声を出す勇気がなくて


すれ違う寸前、五条悟に腕を掴まれ

鼻を掠めた

五条悟から女性のような甘ったるい匂いを



「先輩に挨拶無しとか随分と偉くなったんだね」


『す、すいません、お疲れ様です』



平常心を保とうとしたが、私の体は正直だった


Aの掴んだ腕を自分の方へ引き寄せる
より近づいたAはより鮮明に女の匂いを嗅がされ
目が眩む
呑気に五条悟は「どうしたの?」と聞いてきて
わかっている表情だった




『遊ぶのは勝手ですが、生徒へ悪影響です』




そう引き剥がし、愛車へと走っていった


.

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作者名:あんこ | 作成日時:2021年2月13日 9時

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