イケメンだって陰キャ【切島鋭児郎】 (ページ22)

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｢･･････｣
｢静かですね｣

クロノ、と紹介された若頭補佐が刺青を入れながらそう言ってきた。

｢あ･･･、俺が今まででしてたことって声出したり痛がったりすると興奮されるっていうか、激しめになっちゃうんで癖っていうか｣

大変でしたね、とそれだけ言ってまた刺青入れ始める｡

｢･･････頼っても､､､いいですか｣

そう言うと手を止めて俺を見詰めてきた。
変なこと･･･言ってるもんな。

｢･･････いいですよ。声出しても、俺は襲ったりしやせんから｣
｢････嬉しいです｣

マスク外してるクロノさんは優しい顔をして止めていた手を動かし始めた。
変わらない痛みが襲ってくる。
そりゃそうだよな。身体に墨入れてるんだから。

｢････っ、｣

痛みにビクッて身体跳ねて、思わずクロノさんの白い服握る。

｢････いっ、た｣
｢すいやせん。あと腕入れたら終わりやすんで｣

我慢してたのをやめたから涙目になるし震えてきた｡

｢っ、｣
｢──────･･･///｣

なぜか手止まって顔上げたら赤い顔のクロノさんと目合う。

｢あ、すいやせん。確かにこれは襲いたくなるなと｣
｢えっ、｣
｢大丈夫です。そんなことしやせんよ｣

あとちょっとなんで、ってまた入れ始めた。

｢八斎會の人間はそんなことしやせん。したら殺されちゃうので。それにそこまで馬鹿じゃありやせんから｣

同じヤクザの組でも全然違うなあ。

下っ端とか関係なくちゃんと接してくれるし。
俺のこと男娼として駆り出したりなんてしないし。

｢前にいたとこ、悪名高い組でしたしね。結構な扱われかたされてやしたでしょう｣
｢･･････男娼やらされるくらいなので｣

苦笑いして答えるとそうでした、とクロノさんも笑った。クロノさん普通にイケメンだなぁ。
オーバーホールといいなんかイケメン揃いだ。

｢俺の両親ね、生まれつき金髪に青い目なんです｣
｢･･････なんの、話ですか？｣

きりしーにも話したことないのに、なぜか話し出した｡

｢金髪の両親からこんな黒髪が産まれてきたそりゃ浮気かってなりますよね。両親の喧嘩絶えなくて、ふたりともつかれちゃって。で、あそこに売られたんです｣

俺があんな組に入らなきゃいけなかった理由。