19 韓国人彼氏のスンさん ページ35
.
カーテンからもれる、すこしの光。
心地いい重量感の布団。
わたしに触れるすべてがわたしを幸せにするような、朝のまどろみ。
腕に抱えたこのふわふわのフリースはもう、絶対に手離したくない。
手の甲、頬、口、と口づけが落とされた、
と、思ったら鼻の頭や、頬に降り注ぐキッス。
3カ所で我慢できない彼の姿がおもしろくて、
ねたふりをしながら、笑いで体が揺れてしまう。
「 ゆずちゃん すきだよ 」
彼が、どんな顔をして
この甘い言葉を言っているのか、
見たい。
見たいけど、我慢する
もっと、すごい言葉、
言ってくれないかな
「 ゆずちゃん、」
彼の声がもっと近づく。
ふかふかの手で、髪の毛をさらさらと撫でられる。
スンさんのなでなでは、世界一。
「 今日も1日がんばろうね 」
頭にあった手が、首まで降りてくる。
まずい、くすぐったい。
「 ねえ〜、起きてるんでしょ 」
そう言って、脇腹に手が降りてきたので
ついに、笑って目を開けてしまった。
スンさんが、わたしの頬を両手で包んで
親指で、耳をさらさらと触る。
わたしも、スンさんの頬を両手で包む。
同じように耳を触る。
つり目なのに、優しい目。
スンさんに会ってから、
性格って本当に顔に出ている、ってことを知ったんだよ。
なにか、言って欲しそうに見つめてくるスンさん。
「 スンさん、だいすき〜〜 」
目がなくなるほどうれしそうに笑うその顔を、もみくちゃにしてしまった。
さわやかで、大人で子供な韓国人スンさん。
国籍も年齢も生まれ育った環境も、違うけど
お互いに違和感をもったとしても
わたしたちの持ち前の陽気さをもって
乗り越えていこう
2人にとって幸せな生き方を、2人で見つけていこうね
ずっと一緒にいられますように。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：は | 作成日時：2020年3月7日 0時
