７５ ページ25
もう一回薄目を開ける。
クィレルはこっちを見てない。何か壁のようなものに集中している。
このままでもしょうがないな。
そーっと手をポケットのほうに近づけて触ってみるが、なんの感覚もしない。
杖は取り上げられている。まあ当然か。
「なぜだ！」
ひえっ、起きてるのばれたか？
「なぜ取れない！鏡の中の私は賢者の石を手にしている、それなのに！！」
僕に対してではないみたいだ。よかった。
ん？鏡って、もしかして僕が見たあの鏡？
にしても鏡の前に立ってるのか。厄介だな、後ろから不意打ちで襲えないじゃないか。
さぁてと、ほんとどうしよう。
・・・このままこうしててもしょうがないか。
もういいや。
『ねぇ、クィレル先生、いやクィレル。僕をこんなところに連れてきて、どういうつもり？』
立ち上がりながら言う。
「ほう？もうお目覚めか、いい夢見れたか？」
さっきまで鏡を見てたクィレルはこっちを振り向いた。
うーん、やっぱりクィレルのご主人様とやらはいない。どういうことだろう。
『まさか、君のせいで最悪な目覚めだよ。責任取ってくれない？』
「ふっ、責任か。お前はそんなことを要求できる立場か？」
クィレルが杖を握った腕を僕に向ける。
『やだこわぁい。』
「随分と余裕だなブラック。」
『まあねぇ。僕のこと大事なんでしょ？じゃなかったらわざわざこんなところまで連れてこないし。』
「私がお前のことを大事に思っていると？とんだうぬぼれだな。」
せせら笑うクィレル。今までの気弱なクィレル先生からは考えられない変貌ぶりだ。
『君のご主人様が大事に思ってるんでしょ？ていうか君のご主人様ってどこにいるの？見た感じいな
いけど。』
「貴様・・・目は覚めていたのか。」
『もちろん。そこまで僕は図太くないよ。ねぇ、どこにいるの？ていうかそもそもここどこ？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
私は�� - わー！！嬉しいです、ありがとうございます！ (2022年12月22日 16時) (
レス) id: 6dc15efeab (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 好きです (2022年12月20日 18時) (レス) @page31 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
私は�� - ログ（以下略）。ありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです！ (2022年11月18日 23時) (レス) id: 6dc15efeab (このIDを非表示/違反報告)
樹里 - すごく面白いです更新頑張ってください (2022年11月17日 22時) (レス) @page8 id: 9ada6708fb (このIDを非表示/違反報告)
私は�� - ログインしておりませんが作者です。ありがとうございます！励みになります！うーん、悩みますね。たぶんならないかと思われます。大親友ってとこですかね。 (2022年11月16日 22時) (レス) id: 6dc15efeab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：私は�� | 作成日時：2022年11月11日 22時
