お狐様、半額少女を拾う。【名前変換オリジナル】

其の漆玖 ページ19

Aと天照が打ち解けたことで、天照の怠け具合が増す
ふわりとしたくっしょんを出してくつろぎ始める始末。

「ねー、最近の人間の話聞かせてよ」

「人間ですか…最近は動画配信が流行っているみたいですよ」

「ほーん…ちょっと見てみたいかも」

「朔の動画すっごい面白いんですよ！！」

…最近の人間、か
私も知りたいくらいだな…

「え、朔動画配信してんの？」

「A！それは黙ってて欲しかった！！」

「なにそれ見たい！」

何故だろう…
天照はこの社から一歩も出ていないはずなのに私より現代に馴染んでいないか？

「あ、ねえ澪」

声の主の方を見るとくっしょんを枕に寝転がっている
流石に堪忍袋の緒が切れた。

彼女の小さい体をがっしりと掴んで持ち上げる

「最高神が怠けてどうする！？」

「うわ、澪ってこんな目線なの？地面遠…」

最高神だし、落としても平気であろうな…
さっと手を離す

案の定、神通力で衝撃を緩和してひらりと着地する天照

「…澪って未だにカタブツだったんだ」

「…誰が堅物だ…」

「昔からカタブツでしょう？」

天照と睨み合っていたところに朔では無い男の声がした

天照大御神の神名において、退去を命じたこの社に入れるのは私たち姉弟と同じ立場にある者
つまり天照大御神の側近である

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