10話 ページ10
「ははっ。本当に律儀な人だな。別に悪戯されようが罵られようがかまわないぜ。ただしAだけだかな。俺が心配だったのはAが無心で食べているから不味かったんじゃないかってことだ。何時も目を輝かせながら美味しそうに食べてくれるからな」
「なっ……！俺はそんな顔して食ってない！」
またぷりぷりと怒るAに志賀は鯛の刺身を一切れあげて機嫌取りをするのであった。
「ざっとこんな感じだな」
「成程。だからAは話したがらなかったんだね」
「ああああああああぁぁぁ！糞っ。記憶から抹消してたのに！前世の事思い出したの今日だけど！」
そんな前世の話に花を咲かせていると「おい、盛り上がっているとこ申し訳にゃいが一寸着いてきてもりゃうぞ」とネコが話しかけてきた。
｢あ、ネコさんこんにちは｣
｢うわっ！ねこ…ネコが喋ってる！｣
化け猫！そう思った。誰だってそう思うだろう。なぜなら普通のねこは喋らないからだ。しかも、それが当然かのように話している直哉と武者にも恐怖を感じた。
｢誰が化け猫だ！｣
おまけにこの化け猫は人の心が読めるらしい。
｢はぁ…まあいい。ちょっと着いてこい｣
｢全く何奴も此奴も化け猫って言って｣とブツブツ言いながら部屋を出てく。Aは着いて行くか迷った。だが、志賀や武者は既に歩き始めており、ネコが早く来いと言わんばかりに振り向いたので渋々着いて言った。
連れてこられた部屋は先程居た場所とそんな違いはなかった。だが乱雑に置かれていた資料や実験器具はなく綺麗な部屋だった。ネコが真ん中にある机に飛び乗ると椅子に座っている男に話しかける。
｢連れてきたぞ｣
｢嗚呼。ご苦労だった｣
男はAを見るなり椅子から立ち上がり、Aの前に立つ。近くで見るとガタイがいいのが分かる。おじいさんではなくおじいさんと言った感じだ。
｢俺はこの図書館で館長を務めている。気軽に館長とでも呼んでくれ｣
館長ということは俺は怒られるんだな。とAは悟った。勝手に入ってはいけない部屋に入ったのだから当たり前だ。しかし、Aは後悔だけはしていなかった。
｢何故連れてこられたのは分かっているな？｣
｢はい｣
「「文学を守るために君の力を借りたい/勝手に入ってはいけない部屋に入ってしまいすみません！」」
「……は？」
勢いよく下げた頭は、顔と共に上がる。
ん？今なんと仰いました？
続く (更新停止中)
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新美悠華＠文アル大好き💛 - 維新待ってるで〜気ぃ向いたら投降してなー (2023年3月17日 23時) (
レス) @page5 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - ああああああ！！！！志賀せんせーの小説ないからめっちゃ嬉しい！更新楽しみに待ってます！無理せず頑張ってください！ (2022年1月22日 15時) (レス) @page10 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
ぶんこ(プロフ) - 花奏さん» 有難う御座います！返信遅れてしまいすみません。更新遅くて申し訳ないです。 (2022年1月9日 2時) (レス) id: 2f2b1644d2 (このIDを非表示/違反報告)
花奏 - か、、かわいい…かわいすぎます！！続き待ってます！！ (2022年1月8日 12時) (レス) @page8 id: f110f53895 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶんこ | 作成日時：2021年11月20日 23時
