6話 ページ6
俺の叫び声を聞いて、駆け付けてくる足音が聞こえた。ヤバい。逃げなければ！と急いで立ち上がると目の前に置いてあった鏡に見知らぬ人が映っていた。顔は似ているが服が全く違う。この前会った桃色の髪をした人の服に似ている。試しにポーズをとるとその人も同じポーズをする。恐る恐る下を見ると黒のパーカーでは無く鏡に映っていた人と同じ服を着ていた。
｢な、なんじゃこりゃ！｣
服が変わったのも気になるが今は逃げなければならないと云うことに気づき、扉に向かおうとするが時すでに遅し。｢大丈夫か？！｣と従業員が来てしまった。
｢あっ…｣
バッチリと目が合う。よくよく見てみると今の俺と同じ様な服を着ている。この前会った人かな？と思ったが、髪色が桃色の髪では無く紺色だった。
初めて会った人なのに何故か懐かしく感じる。思い出そうとすると頭に激痛が走る。それでも諦めずに考えると｢こんにちは、水谷さん｣｢一緒に白樺派を作らないか？｣と声が聞こえた。顔は黒く塗りつぶされている。ただ、これは俺の記憶では無く、他の誰かの記憶だと察した。
｢お前、Aだよな？！俺は志賀。志賀直哉だ。覚えてるか？｣
｢しが…なおや？｣
勿論知っている。とても有名だから。でも違う。違うんだ！俺は昔に志賀さんと会った事がある。俺ではなく俺に。
｢くっ…！｣
先程とは比べ物にならないくらいの激痛。その痛みと共に記憶が流れ込んで来る。｢あっ…あ…｣と呻き声をあげながら気づけば泣いていた。
そうだ。俺は水谷A。俺の前世はかの有名な水谷Aだったんだ。嗚呼、何で忘れていたんだろう。武者に謝らなければいけないな。
苦しんでいた俺を見兼ねてかいつの間にか直哉が近くに立っていた。心配そうに背中を撫でてくれている。
｢思い出したよ。全部。ははっ。君はどれだけ優しいんだ。俺が前世でやった事忘れたと云うのかい？｣
｢厭、全部覚えている。お前にされた事も全部。龍から俺が死んだ後に書いた本を見せて貰った。もう其れだけで十分だ。其れにお前がした事って唯の子供の悪戯に過ぎないだろう？｣
｢子供の悪戯ってなんだよ！やっぱり覚えてないだろう？いいよ、教えてやる。お前の事を無視したり、悪口も言ったりした！後は…蛇の玩具を投げたりもしたな！これが子供の悪戯と云えるのか？！｣
これを聞いて恐れる者も少なくないだろう。特に最後の蛇の玩具を投げたのは傑作だと思う。
｢云えるな。それにしても、お前爬虫類嫌いなのによく蛇の玩具用意出来たな｣
｢その悪戯を発案したのは僕だよ｣
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新美悠華＠文アル大好き💛 - 維新待ってるで〜気ぃ向いたら投降してなー (2023年3月17日 23時) (
レス) @page5 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - ああああああ！！！！志賀せんせーの小説ないからめっちゃ嬉しい！更新楽しみに待ってます！無理せず頑張ってください！ (2022年1月22日 15時) (レス) @page10 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
ぶんこ(プロフ) - 花奏さん» 有難う御座います！返信遅れてしまいすみません。更新遅くて申し訳ないです。 (2022年1月9日 2時) (レス) id: 2f2b1644d2 (このIDを非表示/違反報告)
花奏 - か、、かわいい…かわいすぎます！！続き待ってます！！ (2022年1月8日 12時) (レス) @page8 id: f110f53895 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶんこ | 作成日時：2021年11月20日 23時
