赤い狙撃手 〜First semester〜

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マンションに着きエントランスの手紙入れを確認する。８階まである少し大きなマンション。エレベーターで６階に降り、一番端の扉を開けた。

椚ヶ丘中学校から徒歩圏内の優良物件は、元の家からは遠すぎるこの中学校に通うために借りた部屋。

父さんの事件の真相を調べるためには国の中枢へと入り込むのが一番。学歴を残すため難関大学への進学率が高いこの学校は丁度良いいのだ。

勿論、兄貴の様に留学することも考えたが真純に会えなくなるので日本国内に残ることに決めた。

この間、律を改造した時に殺せんせーの技術にはかなり驚かされた。悩んだもののハッキングの仕方について殺せんせーに教えを請いた。

はじめは戸惑っていたが俺の目を見て少し考えると了承の返事を返してくれた。今日、映画を見終わった後で家に来てくれるそうだ。

この先更に発展していく科学の暴行に対応出来れば己の価値は飛躍することが見込める。ハッキングが出来れば父さんの事件を調べることもいよいよ現実味を帯びてくる。


「すいません、赤井さん！予定した時間より遅くなってしまいました！」


リビングでパソコンを広げ準備を済ませ、ついでに殺せんせーの分の夕食も用意し終わってから約２０分後、ベランダに黄色いタコが現れた。

中に入れると、大袈裟に謝ってきたが１０分程遅れただけで怒るほどの問題ではない。


「別にいいよ」


それより早くハッキングの仕方を教えて下さいと催促すれば慌てたようにスイッチを切り替えた。まずは基礎と一から説明される。





来年の３月までにこの超生物を殺せるかなんて分からない。それでもこの教室で。

盗めるものは全て盗む。
身に付けられることは全て身に付ける。
やれる事は全てやる。

この一年は一秒たりとも無駄にしたく無い。

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