赤い狙撃手 〜First semester〜

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俺の席から一列分空けた場所に、大きな黒い箱が置いてある。烏間先生のメールにあった多少外見で驚くとはこのことか。後から来た赤羽も流石に苦笑いを浮かべていた。

ノルウェーから来た一服変わった転校生「自律思考固定砲台」人工知能を搭載しているらしい。普通に可愛い顔をしている点が難儀である。

まあ、マッハ20で飛ぶ黄色タコが教師を務めるこの世の中だ。何があっても不思議じゃない。

授業の真っ只中、ふと電子音が聞こえた。転校生がプログラムを起動しているのだろう。仕掛ける、そう悟った次の瞬間左右からどこからともなく銃を出し攻撃を開始する。

弾幕が殺せんせーを襲うが軽く避け、チョークで弾丸を弾き飛ばす。しましまの模様を浮かべなめている様だがこんな時に限ってこのタコは鈍い。

二度目の射撃が始まった。さっきと同じ様に見えるが恐らくここで工夫を入れてくる。殺せんせーが先ほどと同じ様にチョークで弾丸を弾き飛ばすが、隠し玉(ブラインド)により触手が破壊された。なるほど、中々に手強い。

その後も、ろくに授業が出来ないず仕方なく始めた読書も五月蝿くて集中出来ない。ざけんな、イライラする。

三時間も続けざまに発砲が続きフラストレイションが溜まってきた。よし、抜け出そう。休み時間になり本を持って席を立つ。


「さぼんの？」

「まぁな」

「なら、オレもさぼろっと」


学校集会の時と同じ様に音楽プレイヤーを持ち後について来た赤羽。たっく、やってられるか。



翌日、登校すると直ぐさま持ってきたガムテープでぐるぐる巻きにした。途中から、同じ考えだったのかガムテープを持ってきた寺沢と共に砲台の銃を出し入れする場所を念入りに拘束する。

よーし、綺麗に巻けた。その日はいつも通りの授業を受けられた。



更に翌日、何やら殺せんせーに改造を施された砲台。竹林の好きそうなタイプへと進化していた。反応を見るに実際好きっぽい。

養子にいった兄さんとよくやっていた将棋。千葉と交代で砲台と対戦したがかなり強い。10局前後までしか打てずに行き詰ることが多く、ここまで手応えのある勝負は久しぶりだった。

砲台は「律」と名付けられた。




更に更に翌日、振り出しに戻った砲台。でも、昨日のたった１日の出来事があの機械に何か影響を及ぼしいる気がした。

攻撃準備と称し花を出した砲台。開発者(マスター)に逆らい、意志を身につけた機械。こうしてＥ組にまた一人仲間が増えた。

よろしく、律。

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